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個人住民税と特別徴収について

特別徴収Q&A

制度一般について

個人住民税とは?

都や区市町村が行う住民に対する行政サービスに必要な経費を、住民の方々に広く分担してもらうものです。一般に、「個人都民税」と「個人区市町村民税」をあわせて「個人住民税」と呼ばれています。個人住民税は、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」、定額で課税される「均等割」からなっています。個人住民税は1月1日現在に従業員(納税義務者)の居住する区市町村が、賦課徴収を行っています。

個人住民税の納付方法とは?

納付方法は、「特別徴収」と「普通徴収」があります。
給与所得者については、6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます(特別徴収)。
その他の方については、区市町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。

個人住民税の「特別徴収」とは何ですか?

事業主の方(給与支払者)が従業員の方(納税義務者)に代わり、毎月給与から個人住民税を差し引きし、納入していただく制度です。
(※)個人住民税とは、個人都民税と個人区市町村民税を合わせたもので、1月1日現在お住まいの区市町村で課税、徴収される税金です。

今まで特別徴収をしなくてもよかったのに、何が変わったのですか?

地方税法では、所得税を源泉徴収している事業主については、従業員の個人住民税を特別徴収しなければならないことになっています。
法令改正があったわけではなく、今までもこの要件に該当する事業主については特別徴収をしていただく必要がありましたが、制度の周知が十分でなく、徹底が図れていない状況にありました。
そのため、東京都と都内区市町村は、平成26年度から平成28年度までを特別徴収推進期間と定め、特別徴収制度の広報、周知活動に取り組んでまいりました。そして、平成29年度から、特別徴収を徹底することとしました。

従業員から、「給与から特別徴収(差し引き納入)ではなく自分で納付したい」といわれているのですが?

給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することはできません。

手間が増えるので特別徴収は行いたくないのですが?

事務の増加や経理担当者がいないといった理由で特別徴収を行わないことは、法令上認められません。地方税法の趣旨に沿った適切な徴収義務を果たしていただくためにご理解とご協力をお願いします。

従業員も少ない事業所でも特別徴収しなければなりませんか。毎月納めるのが面倒なのですが?

従業員が少ない事業所でも特別徴収をしなければなりません。
ただし、従業員が常時10人未満の事業所の場合は、区市町村に対して申請して承認を受けることにより、年12回の納期を年2回にする制度(納期の特例)を利用できます。

納期の特例を利用すれば、毎月の給与から住民税を差し引きしなくてもよいのですか?

「納期の特例」は、特別徴収した住民税を半年分まとめて納入することができる制度ですので、毎月の給与からの差し引きは通常どおり行っていただく必要があります。給与から差し引きをした住民税を預かっていただき、年2回に分け納付してください。

従業員は家族だけなので、特別徴収をしなくてもいいですか?

所得税の源泉徴収義務のある事業主は、従業員の個人住民税を特別徴収することが法令により義務付けられており、家族であっても特別徴収を行う義務があります。
 なお、個人事業主の専従者については、当面の間、普通徴収による方法も認めます。

経費をかけられないので特別徴収ができないのですが?

経費がかかることは承知しておりますが、個人住民税の特別徴収の規定は、所得税の源泉徴収と同じく、法令により定められた事業主の義務となっておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

2か所以上の事業所に勤務している従業員は、どちらかに特別徴収されますか?

原則として、主たる給与の支払を受けている勤務先で特別徴収を行います。

特別徴収のメリットはなんですか?

個人住民税の税額計算は区市町村が行いますので、所得税のように事業主が税額を計算したり、年末調整をする手間はかかりません。また、従業員(納税義務者)が納付を忘れる心配もありません。さらに、特別徴収は納期が年12回なので、普通徴収に比べて1回あたりの納税額が少なくなります。

所得税が発生しなければ、個人住民税も課税されませんか?

所得税と個人住民税では税額の計算が異なるので、所得税が発生しなくても個人住民税が課税される場合があります。

毎月の税額が変わることはないですか?

個人住民税は前年の所得に対して計算しますので、税額が変わることは基本的にありません。ただし、従業員の方が申告期限後に確定申告を提出したり、扶養親族等の状況が後から判明した場合などにより、個人住民税を再計算した結果、税額が変わることがあります。このような場合は、差し引きが済んでいない残りの月で税額を調整した変更通知書をお送りします。

特別徴収を拒否したらどうなるのですか?

地方税法第321条の5の規定により、特別徴収義務者は特別徴収税額決定通知書に記載された税額を納期限内に納入する義務があります。
したがって、特別徴収を拒否した結果、納期限を経過した場合は、税金を滞納していることとなり、地方税法第331条に基づく滞納処分を行うこととなります。

特別徴収の対象となる方について

すべての事業主が従業員の個人住民税を特別徴収するのですか?

本来、給与の支払いをする際に、所得税を源泉徴収して国に納付する義務がある事業主は、原則として、個人住民税についても特別徴収を行っていただく必要があります。
東京都の全区市町村で一斉に平成29年度から特別徴収義務者の指定を実施します。
ただし、次の理由【普A~普F】に該当する場合は、普通徴収にすることができます。

普A
事業所の総従業員数が2人以下
(他の区市町村を含む事業所全体の受給者の人数で、以下の普B~普Fの理由に該当して普通徴収とする対象者を除いた従業員数)
普B
他の事業所で特別徴収
普C
給与が少なく税額が引けない。
普D
給与の支払が不定期(例:給与の支払が毎月でない。)
普E
事業専従者(個人事業主のみ対象)
普F
退職者又は退職予定者(5月末日まで)
(休職等により4月1日現在で給与の支払を受けていない方を含みます。)

パートやアルバイトの従業員も特別徴収にしなければならないのですか?

前年中に給与の支払いを受けており、かつ、当該年度初日(4月1日)において給与の支払を受けている者は特別徴収の対象となります。従って、アルバイトやパートであってもこの要件に当てはまる場合には、特別徴収の対象となります。
ただし、上記、【普A~普F】に記載の理由に該当するときは、普通徴収にすることができますので、給与支払報告書の提出時に普通徴収切替理由書に記載して提出してください。

東京都外から通勤している従業員についてはどうしたらよいですか?

原則としては特別徴収となります。他道府県でも個人住民税の特別徴収推進の取組を行う市町村が増えてきていますので、該当の市町村へお問い合わせください。
近隣県では、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県がすでに特別徴収の推進に取り組んでいます。

どうして他の道府県の市町村から特別徴収義務者として指定されないのですか?

法令で定められているため、市町村は原則として事業主(給与支払者)の方を特別徴収義務者に指定しなければなりません。他の市町村で指定されていない場合は、該当する市町村へお問い合わせください。

手続きについて

特別徴収の事務手順はどのようなものですか?

次の手順となります。

  1. 毎年1月末までに区市町村へ給与支払報告書を提出してください。
  2. 区市町村において個人住民税の税額を計算します。
  3. 給与支払報告書提出後、4月1日現在に在籍していない従業員等がいる場合は、4月15日までにその旨を区市町村長に届け出てください。
  4. 事業主に対して、従業員が1月1日現在に居住する区市町村から毎年5月31日までに「特別徴収税額決定通知書」が送付されます。
  5. 特別徴収税額決定通知書には、6月から翌年5月までに徴収すべき個人住民税額(年税額及び月割税額)が記載されていますので、毎月の給与から記載された月割税額を徴収(差し引き)してください。
  6. 徴収(差し引き)した個人住民税は、翌月の10日までに当該区市町村(又は金融機関・ゆうちょ銀行)に納入してください。

4月に退職した従業員がいます。この従業員について、区市町村から送られてきた特別徴収税額決定通知書に記載がありますが、どのように手続きしたらよいですか?

退職、休職、又は転勤など、従業員に異動があった場合は、異動が生じた月の翌月10日までに「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を、特別徴収税額決定通知書が送付された区市町村に提出してください。

住民税が非課税の従業員が異動した場合でも、給与所得者異動届出書は提出する必要がありますか?

住民税が非課税(徴収すべき税額がゼロ)の従業員が異動した場合でも特別徴収に係る給与所得者異動届出書の提出が必要ですので、異動が生じた翌月の10日までに提出をお願いします。

4月1日現在は在籍していませんでしたが、その後就職した従業員がいる場合、途中から特別徴収に切り替えることはできますか?

対象となる従業員が事業主を通じて1月1日現在の居住地の区市町村に「特別徴収への切替申請書(区市町村により名称等が異なる場合があります。)」を送付いただければ、途中からでも特別徴収に切り替えることができます。

個人住民税は、事業主(給与支払者)が計算しなくてもよいのですか?

個人住民税額の計算は、1月末までに事業主から提出していただいた給与支払報告書等に基づき、各区市町村が税額を算出し通知します。事業主が給与から差し引きする税額を計算する必要はありません(ただし、退職所得に係る個人住民税の特別徴収を除きます)。
所得税のように年末調整をする手間もありません。

従業員の就職、退職が頻繁にあるので、事務が煩雑になるのですが?

特別徴収義務は法令に基づいて事業主に課せられています。就職や退職が多いことを理由に普通徴収にすることはできません。

滞納となった場合について

特別徴収を放棄した場合、又は滞納した場合はどうなるのですか?

特別徴収義務者として指定された事業主が、従業員から徴収すべき税額を放棄又は滞納した場合は、特別徴収義務者に対して、原則として納期限後20日以内に督促状が発送されます。督促状が届いても納入されない場合は、事業主に対して滞納処分を行うこととなります。また、特別徴収すべき税額に滞納がある場合、従業員が納税証明書を取得できないなどの不利益を被ることがあります。

事業不振のため、特別徴収した個人住民税を納期限内に納税できないのですがどうしたらよいですか?

事業主が特別徴収した徴収金は、従業員からの預り金であり、事業資金ではありません。必ず区市町村に納入してください。

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